「事業年度」を決める際の工夫
前回は、「事業年度」を決める際の基本的な事項について説明しましたが、
今回は決める際の工夫について書いていこうと思います。
大きく3点の考慮する事項があります。
①第1期目の期間は最長に設定する
資本金の額を1000万円未満で株式会社を設立した場合、消費税が2期免除になります。
ここで大切なのは「2年」ではなく「2期」ということです。
言葉での説明ではわかりにくいので、以下に具体例を挙げます。
・9月20日に株式会社を設立し、事業年度を1月1日~12月31日に設定した場合
(1期目)9月20日~12月31日
(2期目)翌年1月1日~12月31日
(合計)1年3カ月10日間
・9月20日に株式会社を設立し、事業年度を9月1日~8月31日に設定した場合
(1期目)9月20日~翌年8月31日
(2期目)翌年1月1日~12月31日
(合計)ほぼ丸二年間
事業年度の一工夫により、消費税の免税期間に違いが出てきます。
しかし、特定期間の課税売上高及び、給与等支払額が1000万円を超えると、次の期から課税事業者となってしまうので、この点に注意してください。
②自社の繁忙期と決算期が被らないようにする
会社や業種によって、自社の繁忙期・閑散期の時期は異なると思いますが、繁忙期と決算月が重なってしまうと、仕事の忙しさがピークの中で、決算の準備にも追われてしまうことになります。
もしかすると、忙しいことで決算対策に時間が取れないために、経営管理が弱くなってしまい、経営状態を悪化させてしまうこともあるかもしれません。
決算の作業が忙しいのは、決算月ではなく、決算月が締まってから決算報告をするまでの2カ月だと思いますので、その点考慮が必要だと思います。
③3月、12月決算の会社が多いので避ける
3月や12月を決算月としている会社はとても多いです。
さらに、個人事業主の方は、1月~12月の1年間が事業年度と決まっており、個人事業主の確定申告は3月15日です。
つまり、税理士さんの忙しい時期のピークはこの時期となるのです。
もしかすると、その時期を外して決算月を設定しておいた方が、細やかな対応に応じてもらえるかもしれません。
以上3点が「事業年度」を決める際に考慮すべき点です。
今日はここまでです。
閲覧ありがとうございました。